老犬のしつけとお世話
悩みから探す
年をとった犬の「夜鳴き」「トイレの失敗」「さわると怒る」などの困りごとや、薬の飲ませ方・酸素室に慣れさせる方法など治療中のお世話を、悩みから探せるようにまとめたコーナーです。どのページも、しかる前に体の理由(痛み・病気・目や耳の衰え)を考えるところから始めています。
このコーナーの考え方
年をとってから行動が変わると、「年のせい」「しつけ直さなきゃ」と思いがちです。でも、アメリカの動物愛護団体ASPCAは、年をとった犬の行動の変化の多くは、治療できる病気のサインだとしています。関節炎、歯の病気、甲状腺の病気、目や耳の衰え、尿路の病気などで、怒りっぽくなったり、トイレまで行けなくなったりするのです(ASPCA(米国動物虐待防止協会)「高齢犬の行動の問題」)。
痛みも大きな理由です。獣医学の論文では、行動の問題で専門の病院に来た犬の約3分の1に痛みのある病気があったと報告されています(Mills ほか(2020)「犬と猫の痛みと問題行動」)。米国動物病院協会(AAHA)の行動のガイドラインも、まず体の病気がないかを調べること、ほめるしつけを使うことをすすめています(米国動物病院協会(AAHA)「犬と猫の行動管理ガイドライン(2015)」)。
そこでこのコーナーでは、どの悩みも次の順番で書いています。
- なぜそうなるのか(考えられる理由)
- 動物病院で調べてもらうこと、伝えること
- 家でできる工夫と、慣らし方
- すぐ病院に行ったほうがいいサイン
しかる・たたく・押さえつけるやり方は書いていません。こわがったり不安になったりして、かえって悪くなることがあるためです(ASPCA(米国動物虐待防止協会)「高齢犬の行動の問題」、Ballantyne(獣医行動学専門医)「犬のトイレの失敗:基本にもどる」Today’s Veterinary Practice(2017))。
悩みから探す
夜・眠りのこと
トイレのこと
性格・態度が変わった
お世話を嫌がる
薬を飲ませたい
治療中・療養中のお世話
認知症が気になる
こんなときは、様子を見ずに早めに動物病院へ
- 急に首がかたむく、ふらつく、ぐるぐる回りはじめた、目がゆれる
- 急にさわると怒るようになった、どこかをかばって歩く
- いきんでいるのにおしっこが出ない、水を飲む量が急に増えた
- 息が苦しそう、寝ているときの呼吸が速い(寝ている時の呼吸が早いとき)
心臓の病気がある子は、夜の息づかいも見てあげて
夜に落ち着かない、眠れないようすの陰に、息苦しさがかくれていることもあります。眠っているときの呼吸数を数えておくと、獣医さんに変化を伝えやすくなります。