心臓病の犬の散歩と遊び
時間の目安と、やりすぎのサイン
- 軽い〜中くらいの心臓病の犬は、短い散歩なら多くの子が大丈夫とされる。ただし、どこまでいいかは病気の進み方で変わる
- 途中で止まる・すわりこむ・遅れる・息が荒くなるのは、もう「やりすぎ」のサイン
- 心不全と言われたら、ボール投げ・泳ぐ・走って追いかけるなどの、はげしい運動はやめる
- 心臓病の子は暑さと湿気に弱い。夏は涼しい時間に短く
- せき・呼吸が苦しそう・たおれたときは、急いで病院へ
こんなことで困っていませんか
- 心臓病と言われてから、散歩の時間をどれくらいにすればいいかわからない
- 散歩が大好きなので、減らすとかわいそう
- 夏や冬の散歩が心配
- 家の中でできる遊びを知りたい
心臓病の犬は、どれくらい歩いていい?
タフツ大学の心臓病の資料では、軽い〜中くらいの心臓病の犬は、多くが短い散歩なら問題ないとされています。いっぽうで、運動のしすぎは心不全を悪くしたり、不整脈(心臓のリズムの乱れ)を起こしたりすることがあります(タフツ大学 HeartSmart「運動できる量が減る」)。
僧帽弁閉鎖不全症(小型犬に多い心臓の弁の病気)が進むと、心臓の負担を減らすために、獣医さんが運動を減らすようにすすめることが多いとされています。弱った心臓にむりをさせると、失神や突然死につながることもあると書かれています(タフツ大学 HeartSmart「犬の心臓病」)。
何分なら大丈夫、という決まった数字はありません。「その子のようす」を見て決めるのが基本です。
「やりすぎ」のサイン
次のようなようすが見えたら、その日の散歩はもう十分です(タフツ大学 HeartSmart「運動できる量が減る」、タフツ大学 HeartSmart「犬の心臓病」)。
- 途中で立ち止まって休む、すわりこむ
- いつもより遅れて、うしろからついてくる
- 前はリードを引っぱっていたのに、横をゆっくり歩くようになった
- すぐに息が荒くなる、息切れする
タフツ大学の資料では、心不全と言われた犬では、飼い主が始めるはげしい運動(ボール投げ、泳ぐ、ほかの動物を追いかける)はやめるべきとされ、病気が重い犬に限界をこえて運動させないよう書かれています(タフツ大学 HeartSmart「運動できる量が減る」)。
散歩のしかたのコツ
- 短く、何回かに分ける1回で長く歩くより、短い散歩を何回か。犬が自分で決めるペースに合わせる
- 暑い日・蒸し暑い日は避ける心臓病の犬は暑さと湿気に弱いことが多い(タフツ大学 HeartSmart「運動できる量が減る」)。夏は朝早くや夜の涼しい時間に
- 坂や階段の多い道は避ける平らで、すぐ帰れるコースに
- においかぎの時間を楽しむ歩く距離より、ゆっくりにおいをかぐ時間を長く。においをかぐ散歩は、年をとった犬の頭の刺激にもなる(コーネル大学 犬の健康センター「高齢犬の認知症」)
- カートや抱っこで外の空気を歩けない日も、外のにおいや音で気分転換できる
家の中でできる遊び
散歩を減らしても、頭や鼻を使う遊びで楽しく過ごせます。動物病院の資料では、年をとった犬に、知っている芸のおさらい、かんたんな新しい芸、おやつを探させるおもちゃや宝探しで鼻を使う遊びがすすめられています(VCA動物病院「高齢のペットの認知機能不全症候群」)。
- 部屋のあちこちにおやつをかくして、探してもらう
- おやつを入れる知育おもちゃ・ノーズワークマット(コーネル大学 犬の健康センター「高齢犬の認知症」)
- 「おすわり」「おて」「待て」など、動きの少ない芸のおさらい
- やさしくなでる、ブラッシングの時間
おやつを使うときは、塩分の少ないものを、1日のカロリーの10%までにするのが目安です(タフツ大学 HeartSmart「心臓病と食事」)。
散歩のあとに見ておきたいこと
散歩から帰って休んだあと、眠っているときの呼吸数を数えて、ふだんと比べてみましょう。タフツ大学の資料では、呼吸の回数や苦しそうなようすを家で記録すると、利尿剤の量を決める助けになるとされています(タフツ大学 HeartSmart「犬の心臓病」)。
眠っているときの呼吸数を記録しよう
タップするだけで1分あたりの回数を出して、グラフにできます。獣医さんに見せる用にコピーもできます。
こんなときは、急いで動物病院へ
- せきが止まらない
- 息が苦しそう、口をあけて息をする、舌が青紫
- 散歩中や興奮したときに、たおれた・ふらついた
獣医さんから「家で酸素室を」と言われたら
心臓病が進むと、家で酸素室を借りることもあります。借りる期間で総額がかなり変わるので、先に10社の料金・届く日・解約のルールを比べておくと安心です。
よくある質問
心臓病の犬の散歩時間はどれくらい?
決まった数字はなく、病気の進み方で変わります。軽い〜中くらいの心臓病なら、短い散歩は多くの犬が大丈夫とされています。途中で止まる・遅れる・息が荒くなるのは、やりすぎのサインです。うちの子の目安は獣医さんに聞いてください。
心臓病の犬は夏の散歩をどうする?
心臓病の犬は暑さと湿気に弱いことが多いとされています。朝早くや夜の涼しい時間に、短く歩くようにしましょう。蒸し暑い日は家の中で遊ぶのも1つの方法です。
心臓病の犬に運動させないほうがいい?
軽い散歩は続けられる子が多いですが、心不全と言われたら、ボール投げや走る遊びなどのはげしい運動はやめます。どこまでいいかは、かかりつけの獣医師に相談してください。