犬の安静(ケージレスト)
過ごし方と工夫
- 「安静に」と言われたら、どこまで動いていいか(ケージから出していいか、散歩は?)を獣医さんに具体的に聞く
- よくある決まりは、トイレはリードをつけて短く・走らない・ジャンプしない・階段を使わない
- ケージやせまい部屋で過ごすなら、中でごはん・おやつで「いい場所」にしておく
- 退屈しのぎは、動かずにできること(なめるおやつ、かむおやつ、そばで過ごす時間)。何がよいかは獣医さんと相談
- 安静中にはねてしまった・急に痛がるときは、病院に連絡
こんなことで困っていませんか
- 「安静に」と言われたけれど、どこまでならいいのかわからない
- ケージに入れると鳴いて、安静にしてくれない
- 元気なので、走りたがってとめられない
- 何週間も退屈そうで、かわいそう
「安静」はどのくらい?
動物病院の資料では、運動制限(安静)とは、わざと体の動きを少なくすることで、どこまで制限するかは犬によってちがうとされています。ケージの中でほぼずっと過ごす「完全な安静」が必要な子もいれば、リードをつけた短い散歩ならいい子もいます(VCA動物病院「犬の運動制限」)。
| 理由 | 安静の目安(資料の例) |
|---|---|
| おなかの手術(避妊手術など) | 1〜2週間くらいのことが多い |
| 骨や関節の手術 | 骨が治るまで、もっと長く |
| 椎間板ヘルニア | 動きを減らして背骨への負担と炎症をおさえる。手術のあとはまずケージで安静、その後もしばらく運動を管理。回復には何か月もかかることがある |
| フィラリア症の治療 | 治療の前後。動くと、肺の血管がつまる危険が高まる |
獣医さんに聞いておくこと
- ケージの中だけ?せまい部屋ならいい?
- トイレのときは外に出していい?リードは必要?
- 散歩はしていい?何分くらい?
- 抱っこして移動していい?階段は?
- おもちゃで遊んでいい?かむおやつはいい?
- いつまで?次の診察はいつ?
- 落ち着かないときに使える薬はある?
よくある決まり
動物病院の資料では、次のような制限がよく使われます(VCA動物病院「犬の運動制限」)。
- 散歩はリードだけ急に走り出さないように
- 短い散歩を何回かに分ける長い散歩はしない
- はげしい遊びはしないボール投げ・引っぱりっこ・取っ組み合いはやめる。ほかのペットとは分けることも
- 階段を使わない1つの階で過ごす
- ジャンプさせないベッドやソファに乗せない
- ケージやせまい部屋で過ごす獣医さんにすすめられたとき
ケージで落ち着いて過ごしてもらうコツ
ケージに慣れていない子は、急に閉じこめると鳴いたり暴れたりして、かえって動いてしまいます。動物病院の資料にあるクレートトレーニングの考え方が役に立ちます(VCA動物病院「クレートトレーニングのしかた」)。
- ケージは、立つ・向きを変える・体をのばすことができる大きさに安静の広さは、獣医さんの指示に合わせる(VCA動物病院「クレートトレーニングのしかた」)
- 家族の気配がする場所に置き、中に毛布やベッドを入れる(VCA動物病院「クレートトレーニングのしかた」)
- ごはんやおやつを中であげて、「いいことがある場所」にする(VCA動物病院「クレートトレーニングのしかた」)
- トイレをすませてから入れる。がまんできる時間より長く閉じこめない(VCA動物病院「クレートトレーニングのしかた」)
- 鳴いてもすぐ出さず、静かになったときに出すただし、痛がる・苦しそうなときはすぐ確かめる(VCA動物病院「クレートトレーニングのしかた」)
手術の前に安静が必要とわかっているなら、何日か前からケージで過ごす練習をしておくと楽になります。
退屈させない工夫(動かずにできること)
安静中は運動ができないぶん、頭や鼻を使うことで気をまぎらわせます。どれがその子にいいかは、けがや手術の場所によるので、獣医さんに確認してから試してください。
- なめるタイプのおやつや、中におやつを入れるおもちゃを、ケージの中で(VCA動物病院「高齢のペットの認知機能不全症候群」)
- かむおやつ(あごや口の手術でなければ)
- ケージのそばで、なでたり、声をかけたりする時間をつくる
- ごはんを一度にあげず、何回かに分けて、知育おもちゃから食べさせる
- 知っている芸のうち、体を動かさないもの(「待て」「アイコンタクト」など)をおさらいする
どうしても落ち着かない子は、落ち着かせるための薬を使えることもあるので、獣医さんに相談しましょう。椎間板ヘルニアの手術のあとは、トイレの手伝いや床ずれの確認が必要なこともあります(コーネル大学 犬の健康センター「椎間板ヘルニア」)。
こんなときは、病院に連絡を
安静中に逃げ出して走った・飛び降りた、急に痛がる、足に力が入らない、傷がはれた、などのときは、病院に連絡してください。家で様子を見るように言われるか、診察で確かめることになります(VCA動物病院「犬の運動制限」)。
よくある質問
犬の「安静」とは、どこまで?
犬によってちがいます。ケージの中でほぼずっと過ごす安静が必要な子もいれば、リードをつけた短い散歩ならいい子もいます。ケージから出していいか、トイレや散歩はどうするかを、獣医さんに具体的に聞いてください。
安静にしてくれない犬はどうする?
ケージを「いい場所」にする(中でごはん・おやつ)、トイレをすませてから入れる、なめるおやつなど動かずにできる楽しみを用意する、などを試してください。落ち着かせる薬が使えることもあるので、獣医さんに相談しましょう。
安静中に散歩していい?
獣医さんの指示によります。散歩していい場合でも、リードをつけて、短い散歩を何回かに分けるのが一般的です。走る・ジャンプする・階段は避けます。