老犬が爪切りを嫌がるとき
理由と慣らし方
- 老犬が爪切りを嫌がるようになったら、足や関節の痛みで、足を持たれるのがつらいのかもしれない
- 年をとって歩く量が減ると、爪がのびやすい。のびた爪はすべる原因になるので、月1回くらいを目安に切る
- 練習は「肩をさわる → 足をさわる → 足を持つ → 爪切りを見せる → 1本の先を少しだけ」と、1〜2分ずつ
- むりに押さえつけない。こわがりがひどい・かむときは、獣医さんに相談(不安をやわらげる薬や、軽い鎮静で切る方法もある)
こんなことで困っていませんか
- 前はおとなしく切らせてくれたのに、嫌がるようになった
- 爪切りを見せると、逃げる・かもうとする
- 爪がのびて、フローリングでカチャカチャ鳴る・すべる
嫌がるようになった理由を考える
爪を切るときは、足を持ち上げて、ほかの3本の足で体を支えてもらいます。関節が痛い子には、これがつらい姿勢です。米国動物病院協会(AAHA)は、なでたりブラシをかけたりすると痛そうにする、すべる床を嫌がる、などを犬の痛みのサインにあげています(米国動物病院協会(AAHA)「犬の痛みの15のサイン」)。「急に嫌がるようになった」ときは、足や腰の痛みがないか、動物病院で相談してみましょう。さわると怒るようになったときのチェックは犬が触ると怒るようになったにまとめました。
前に深く切りすぎて痛い思いをした、押さえつけられてこわかった、という記憶から嫌がる子もいます。
老犬こそ、爪を短くしておきたい
動物病院の資料では、ほとんどの犬は月1回くらい爪を切る必要があり、あまり動かない犬はもっと短い間隔(3週間ごとなど)が必要なこともあるとされています(VCA動物病院「犬の爪の切り方」)。足腰が弱った犬では、すべらずに歩けるように、爪を短くして、指のあいだの毛も切っておくことがすすめられています(VCA動物病院「足腰が弱った犬のための住まいの工夫」)。
のびた爪が床に当たってカチャカチャ鳴る、歩くときに足先がすべる、というときは、切りどきのサインと考えましょう。
爪切りに慣れてもらう手順
動物病院の資料では、こわがらせないように、次のように少しずつ慣らす方法がすすめられています。1回は1〜2分と短くして、週に何回か行います(VCA動物病院「犬の爪切りのストレスを減らす」)。
- 爪切りを「いいことの合図」にするおやつと爪切りをいっしょに出して、おやつをあげたら爪切りをしまう。少しずつ、爪切りを見せる時間を長くし、においをかがせる
- すべらない場所で、肩や腰をさわって、ほめておやつ少しずつ足の先のほうへ。足をさわれたら、両手で、さらに足を10秒ほど持てるように
- 足を持ちながら、もう片方の手に爪切りを持つ(まだ切らない)
- 爪切りを爪に近づける → 爪の先にちょんと当てるそのたびにほめて、おやつ
- 近くでストローやつまようじを切って、パチンという音に慣らす
- 1本の爪の先を、ほんの少しだけ切る一度にたくさんではなく、少しずつを何回も
各段階で落ち着いていられたら、次に進みます。顔をそむける、体を後ろに引く、あくびをする、耳をうしろにたおす、といったサインが出たら、ペースを落とします(VCA動物病院「犬の爪切りのストレスを減らす」)。もともとこわがっていない子なら1〜2回で、すでにこわがっている子は数週間〜数か月かかることもあります(VCA動物病院「犬の爪切りのストレスを減らす」)。
やってはいけないこと
- 短い時間でやめる
- 1回に1本だけでもOKにする
- 落ち着いているときにほめる
- 獣医さんに相談する
- むりに押さえつける
- 好きなものをなめさせて、気をそらしたすきに切る
- 動いた・うなったことをしかる
- 計画なしに、トリミングサロンや病院で押さえて切ってもらう
動物病院の資料では、すでにこわがっている犬に、気をそらしたすきに切るといった方法や、手やハンモックで押さえつける方法は避けるように書かれています。動いたり、うなったり、休みたがったりする犬をしかったり罰したりしてはいけない、ともされています(VCA動物病院「犬の爪切りのストレスを減らす」)。
どうしても切れないときは
ふるえる、よだれが多い、ハアハアする、うなる、かもうとする、といった強いこわがりがあるときは、獣医さんに相談してください。不安をやわらげる薬や、軽い鎮静が役に立つことがあります。とてものびてしまった爪は、獣医さんが軽い鎮静をかけて、短時間でストレスなく切ることもできます(VCA動物病院「犬の爪切りのストレスを減らす」)。
家で練習しているあいだに爪がのびてしまうときは、トリミングサロンや動物病院に「こわがりなので、短い時間で、押さえつけずに」とお願いして、相談しながら切ってもらいましょう。
よくある質問
老犬が爪切りを嫌がるようになったのはなぜ?
足を持たれる姿勢が、関節や腰の痛みでつらいのかもしれません。前に切りすぎて痛かった、押さえつけられてこわかった、という記憶のこともあります。急に嫌がるようになったら、痛みがないか動物病院で相談してください。
老犬の爪はどれくらいの間隔で切る?
ほとんどの犬は月1回くらいが目安で、あまり歩かない犬は3週間ごとくらいが必要なこともあるとされています。床でカチャカチャ鳴る、すべる、というときは切りどきです。
爪切りを嫌がって噛むときは?
むりに押さえつけず、その日はやめてください。うなる・かむのは強くこわがっているサインです。不安をやわらげる薬や軽い鎮静を使って切る方法もあるので、獣医さんに相談しましょう。
爪切りのかわりにやすりを使ってもいい?
使えます。少しずつけずれるので、切るのがこわい子に合うこともあります。どちらを使うときも、道具を見せる・音に慣らすところから始めましょう。