犬が病院を嫌がるとき
家での練習と、通院の日の工夫
- 病院を嫌がる子は、家で体をさわられる練習(足・耳・口・おなか)を、おやつといっしょに少しずつ
- 「何もされない通院」で、病院をいい場所に。車も、病院以外の楽しい場所へ行くのに使う
- 当日はお腹をすかせて、大好きなおやつを持っていく。混んでいたら車で待てないか受付に聞く
- こわがりが強い子は、通院前に飲む不安をやわらげる薬を獣医さんに相談できる
- 飼い主が落ち着いていつもどおりにふるまうと、犬も落ち着きやすい
こんなことで困っていませんか
- 病院の前に来ると、足をふんばって入らない
- 待合室でふるえる、鳴きやまない
- 診察台の上で暴れて、うなる・かもうとする
- 治療で通院が増えるので、少しでも楽にしてあげたい
こわがっているサイン
動物病院の資料では、病院をこわがる犬は、うれしょん(こわくてもらすおしっこ)、ハアハアする、よだれ、逃げようとする、うなる、かもうとする、などのようすを見せるとされています(VCA動物病院「犬が動物病院をこわがるのを減らす」)。こうしたようすは、わがままではなく「こわい」というサインです。しからずに、こわさを減らす工夫をしましょう。
家でできる練習
1. 体をさわられる練習
米国動物病院協会(AAHA)は、足・爪・耳など、さわられるのが苦手な場所を、ごほうびをあげながら軽くさわり、少しずつ長く持てるようにしていく練習をすすめています(米国動物病院協会(AAHA)「ストレスの少ない通院のために」)。アメリカンケネルクラブの記事でも、毎日のマッサージに、足・耳・口・おなか・しっぽをさわることを加えて、診察のまねをするとよいとされています(アメリカンケネルクラブ「動物病院をこわがらせないために」(認定ドッグトレーナー執筆))。
- 犬がリラックスしているとき(眠そうなときなど)に、背中をなでる
- 足先・耳・口のまわり・おなかを、1秒さわって、おやつさわるたびにおやつ(アメリカンケネルクラブ「動物病院をこわがらせないために」(認定ドッグトレーナー執筆))
- 慣れたら、さわる時間を少しずつのばす嫌がらずにさわらせてくれるまで(米国動物病院協会(AAHA)「ストレスの少ない通院のために」)
- 「立って待つ」を練習する立っていると診察しやすい(アメリカンケネルクラブ「動物病院をこわがらせないために」(認定ドッグトレーナー執筆))
口をさわられるのが苦手な子は、歯みがきの慣らし方、足が苦手な子は爪切りの慣らし方も同じ考え方です。急にさわると怒るようになったときは、痛みのこともあるので触ると怒るようになったを見てください。
2. 車に慣れる
車が苦手な子は、短いドライブで楽しい場所へ行き、車の中でおやつをあげ、少しずつ時間をのばします(米国動物病院協会(AAHA)「ストレスの少ない通院のために」)。車に乗る=病院、とならないように、病院以外の楽しい場所にも出かけましょう(アメリカンケネルクラブ「動物病院をこわがらせないために」(認定ドッグトレーナー執筆))。
3. 「何もされない通院」
診察も注射もせずに病院に立ち寄って、スタッフにあいさつして、おいしいおやつをもらうだけの「ハッピービジット」がすすめられています。こわい記憶を、いい記憶に置きかえていくためです(米国動物病院協会(AAHA)「ストレスの少ない通院のために」、アメリカンケネルクラブ「動物病院をこわがらせないために」(認定ドッグトレーナー執筆))。行く前に、病院に電話で聞いてみましょう。
通院の日にできること
- お腹をすかせて、好きなおやつを持っていく食べ物が好きな子なら、朝ごはんをぬいて行くと、おやつが効きやすい(米国動物病院協会(AAHA)「ストレスの少ない通院のために」)。ただし、検査や持病で食事の指示がある子は、病院の指示に従う
- 待合室で待たない受付で、すぐ診察室に入れてもらえないか、車で待てないか聞く(米国動物病院協会(AAHA)「ストレスの少ない通院のために」)
- すいている時間を予約するあせらずに診てもらえる(アメリカンケネルクラブ「動物病院をこわがらせないために」(認定ドッグトレーナー執筆))
- いつものマットを持っていく家で「マットの上で待つ」を練習しておくと、病院でも落ち着く場所になる(アメリカンケネルクラブ「動物病院をこわがらせないために」(認定ドッグトレーナー執筆))
- 飼い主が落ち着く犬は飼い主の気持ちを感じとるので、いつもどおりにふるまう(米国動物病院協会(AAHA)「ストレスの少ない通院のために」)
こわがりが強い子は、薬も相談できる
AAHAは、通院の前に飲ませて、こわがりや興奮をおさえる不安をやわらげる薬があること、薬以外にも、落ち着くためのサプリ、体を包む服、目かくし、フェロモン、音楽などの方法があることを紹介しています(米国動物病院協会(AAHA)「ストレスの少ない通院のために」)。何が合うかは、かかりつけの獣医師に相談してください。
こわがらせない扱い方を大切にしている動物病院を選ぶのも1つの方法です(米国動物病院協会(AAHA)「ストレスの少ない通院のために」)。
治療で通院が続く子へ
心臓病や腎臓病などで通院が続く子は、病院に行くたびにこわい思いをすると、どんどん苦手になります。家での練習と、ハッピービジットを続けて、「病院は、おやつがもらえるいい場所」にしていきましょう。家で呼吸数や体重を記録しておくと、診察の時間を短くしやすくなります(呼吸数カウンター)。
よくある質問
犬が病院を嫌がる理由は?
前に痛い・こわい思いをした、知らないにおいや音、押さえられること、などが理由になります。ふるえる、ハアハアする、うなるのは「こわい」のサインなので、しからずにこわさを減らす工夫をしましょう。
病院嫌いを直すには?
家で体をさわられる練習をおやつといっしょに少しずつ進める、何もされずにおやつをもらうだけの通院をする、車を病院以外の楽しい場所にも使う、などがすすめられています。
病院でこわがる犬に薬は使える?
通院の前に飲ませる、不安をやわらげる薬があります。サプリやフェロモンなどの方法もあるので、かかりつけの獣医師に相談してください。